壁(クロス)の損耗のケース【1】

1)テレビ、冷蔵庫等の後部壁面の黒ずみ → 貸主負担が妥当
いわゆる電気ヤケのことです。テレビや冷蔵庫は一般的な生活をしていくうえで必需品であり、その使用による電気ヤケは通常の使用による損耗と考えられ、貸主負担が妥当です。
ただし、借主が善管注意義務を怠った場合は借主負担が妥当です。

2)エアコン(借主取付)による壁のビス穴、跡 → 貸主負担が妥当
エアコンについても、テレビ等と同様に一般的な生活をしていくうえで必需品と考えられ、貸主の承諾を得て取り付けた際に生じたビス穴等は通常の損耗と考えられ、貸主負担が妥当です。
最近の物件には、壁にエアコン設置用のボルトがあらかじめ取り付けられているケースが多いようです。

3)クロスの変色(日照などの自然現象によるもの) → 貸主負担が妥当
畳等の変色と同様、日照は通常の生活で避けられないもであると考えられ、貸主負担が妥当です。

4)壁に貼ったポスターやカレンダーの跡 → 貸主負担が妥当
壁にポスターやカレンダー等を貼ることによって生じるクロス等の変色は、主に日照などの自然現象によるものが原因で、通常の生活による損耗の範囲であると考えられ、貸主負担が妥当です。

5)壁等の画鋲、ピン等の穴 → 貸主負担が妥当
(下地ボードの張替は不要な程度のもの)
ポスターやカレンダー等を貼ることは、通常の生活において一般的な行為であり、そのために使用した画鋲やピン等の穴は、通常使用による損耗と考えられ、貸主負担が妥当です。

6)壁等のくぎ穴、ボルト穴 → 借主 負担が妥当
(重量物を掛けるためにあけたもので、下地ボードの張替えが必要なもの)
重量物の掲示等の為の釘、ボルト穴は、ピンや画鋲等の穴に比べて深く範囲も広いため、通常の使用による損耗を超えると判断されることが多いと考えられます。
地震等に対する家具転倒防止を目的とした器具の設置については、あらかじめ貸主もしくは管理会社の承諾を得るようにしましょう。

壁に関しては多岐にわたりますので、壁(クロス)の損耗のケース【2】に続きます。

また、原状回復の補修単位や費用などは、改めてまとめたいと思います。